確定拠出年金の源泉徴収票の表記は?年末調整・確定申告についても解説 | 株式会社マウンティン

確定拠出年金の源泉徴収票の表記は?年末調整・確定申告についても解説

年末調整源泉徴収票

確定拠出年金の源泉徴収票の表記は?年末調整・確定申告についても解説

企業が確定拠出年金を導入すると、加入者である従業員から「源泉徴収票のどこを見ればいいかわからない」「年末調整に必要な手続きが知りたい」と質問されることがあります。そこで企業担当者として源泉徴収票の見方や表記、年末調整が必要となるケースを把握しておくことが大切です。

本記事では、確定拠出年金で年末調整や確定申告が必要となるケースを紹介します。源泉徴収票の見方だけでなく、年末調整時に企業や加入者はどのような対応が必要となるか、実際の書類のサンプル画像を使ってわかりやすく解説するのでぜひ参考にしてください。

1.確定拠出年金の種類

確定拠出年金は大別すると、企業型確定拠出年金と個人型確定拠出年金の2種類があります。それぞれの特徴は、次のとおりです。

企業型確定拠出年金
(企業型DC)
個人型確定拠出年金
(iDeCo)
掛金を積み立てる人企業加入者
運用を行う人加入者である従業員加入者
目的企業が従業員の老後資産を準備するため加入者が自分の老後資金を準備するため

企業型確定拠出年金の詳細は、こちらの記事で解説しています。あわせてぜひご覧ください。

業型DC(企業型確定拠出年金)とは?導入に迷っている人事担当者必見

2.確定拠出年金は年末調整と確定申告が必要

2種類の確定拠出年金はどちらも掛金が全額所得控除の対象となり、年末調整や確定申告が必要となる場合があります。ここでは、それぞれの対応方法を解説します。

2-1.個人型確定拠出年金の場合

個人型確定拠出年金の場合、掛金を拠出しているのは加入者本人です。給与所得がある会社員であれば年末調整、個人事業主などであれば確定申告を行います。会社員の年末調整については、「【加入者向け】年末調整時の対応|個人型確定拠出年金」の章で詳しく解説します。

2-2.企業型確定拠出年金の場合

企業型確定拠出年金の場合、掛金を拠出しているのは企業側です。しかし、マッチング拠出やiDeCoの利用で加入者も掛金を支払うなど、多様なケースがあります。ここでは、4つのケースで誰が年末調整を行うかを見てみましょう。

通常の企業型確定拠出年金マッチング拠出加入者が個人でiDeCoに加入選択制確定拠出年金
掛金を払っている人企業企業・従業員に
よる上乗せ
企業・従業員に
よる上乗せ
企業
年末調整を行う人企業企業だが、従業員による準備が必要

企業のみが掛金を支払っているケース

企業のみが掛金を支払っている一般的なケースでは、加入者である従業員は手続きをする必要がありません。そもそも掛金は税金の対象とならないため、年末調整は不要です。

マッチング拠出で加入者も掛金を支払っているケース

従業員が掛金を上乗せできるマッチング拠出では、企業による年末調整が必要です。企業側が上乗せされた掛金を把握して控除額を計算するので、従業員側で年末調整のために何らかの手続きを行う必要はありません

加入者が個人でiDeCoに加入し掛金を支払っているケース

従業員が企業型確定拠出年金を利用しながら、個人でiDeCoにも加入するケースを見てみましょう。年末調整自体は企業が行いますが、企業側でiDeCoの掛金を把握できていなければ、従業員は年末調整に向けて書類の準備が必要です。

具体的には、「給与所得者の保険料控除申告書」への記入が求められます。詳細は「加入者向け】年末調整時の対応|個人型確定拠出年金」をご覧ください。

選択制確定拠出年金で企業のみが掛金を支払っているケース

選択制確定拠出年金とは、給与の一部を掛金として積み立てて資産形成をするか、毎月の給与として受け取るかを、従業員が選べる制度のことです。従業員が企業型確定拠出年金に加入すると選択した場合、企業が掛金を拠出します。掛金は税金の対象とならないため、年末調整は必要ありません

3.【企業向け】年末調整時の対応|企業型確定拠出年金

企業型確定拠出年金で、マッチング拠出やiDeCoによって従業員が掛金を上乗せしている場合、企業は年末調整を行う必要があります。ここでは、どのような手続きが必要になるかを紹介します。

3-1.手順1.「給与所得者の保険料控除申告書」に金額を記載する

国税庁のホームページから「給与所得者の保険料控除申告書」を取得し、「小規模企業共済等掛金控除」欄に、加入者が支払った掛金総額を記入します。

「小規模企業共済等掛金控除」は所得控除のひとつで、確定拠出年金の掛金は全額が控除対象となります。該当するほかの掛金もあれば金額を記入し、「合計(控除額)」を記載します。

3-2.手順2.源泉徴収票の「社会保険料等の金額」へ金額を記載する

次に国税庁のホームページから「給与所得の源泉徴収票」を取得し、金額を記載します。従業員が上乗せして拠出した掛金は「社会保険料」と同じ扱いになるため、源泉徴収票の「社会保険料等の金額」に記入します。

このとき、「小規模企業共済等掛金控除」の「合計(控除額)」に記載した金額と、社会保険料を合わせた金額を記入しましょう

4.【加入者向け】年末調整時の対応|個人型確定拠出年金

続いて、個人型確定拠出年金(iDeCo)に加入している従業員が、年末調整時にどのような対応が必要となるかを紹介します。年末調整自体は企業が対応しますが、従業員はその準備を行う必要があります。

4-1.手順1.「小規模企業共済等掛金払込証明書」を受け取る

毎年10月頃に国民年金基金連合会から、加入者に送られる「小規模企業共済掛金払込証明書」というハガキが届きます。年末調整時に添付書類として提出する必要があります

こちらは「小規模企業共済掛金払込証明書」のサンプル画像です。

出典:払込証明書見本|ろうきんiDeCoスペシャルサイト

4-2.手順2.「給与所得者の保険料控除申告書」へ記載する

11月頃に企業から「給与所得者の保険料控除申告書」が渡されるので、「小規模企業共済等掛金控除」の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」に、掛金総額を記入します。ほかの掛金もあれば記入し、「合計(控除額)」を記載しましょう。

必要事項の記載が終わったら、「小規模企業共済等掛金払込証明書」のハガキを添付して企業に提出します。

5.【加入者向け】源泉徴収票の見方・表記|企業型確定拠出年金

源泉徴収票は、12月に年末調整が行われた後に発行されます。源泉徴収票には1年間の収入や納付した所得税額が記載されています。

ここでは、選択制の企業型確定拠出年金に加入している従業員が、源泉徴収票を受け取ったとき何を確認すればいいかを解説します。

5-1.「支払金額」を確認

まずは源泉徴収票の支払金額を確認しましょう。選択制の企業型確定拠出年金の場合、掛金は給与でないためここに記載されません。

年収400万円の従業員が年間36万円(毎月3万円)を拠出しているなら、単純計算で支払金額には「364万円」と記載されることになります。

5-2.「所得控除の額の合計額」を確認

源泉徴収票の支払金額が変わると、給与控除額が変わって「給与所得控除後の金額」「所得控除の額の合計額」「源泉徴収税額」にも影響を与えます。拠出する掛金の金額によっては、企業型確定拠出年金を利用していなかった年よりも、社会保険料の負担が軽減されるためです。

6.確定拠出年金における源泉徴収票に関するよくある質問

企業型確定拠出年金を導入すると、源泉徴収票について従業員から質問されることがあります。ここでは、よくある質問と回答をまとめたので参考にしてください。

6-1.Q1. 一時金の受け取り時に源泉徴収票は必要?

企業型確定拠出年金を受け取る時期が来た場合、一時金の受け取りに源泉徴収票が必要になるかという質問です。

そもそも確定拠出年金の受け取り方法として、年金と一時金、または併用が認められています。

場合によっては19年前の源泉徴収票が必要となるので、手元に残しておくことが大切です。

一時金を受け取るために、加入者が準備する必要のある書類は次のとおりです。

・印鑑登録証明書原本
・個人番号確認書類および身元確認書類
・前の退職金支払いに関する退職所得の源泉徴収票コピー

6-2.Q2. 掛金は源泉徴収票の年収に含まれる?

掛金は給与と見なされないため、源泉徴収票の年収(支払金額)には含まれません。そのため、「年収が下がった」と勘違いされることがありますが、実際は給与の一部が資産形成のために使われています

選択制の企業型拠出年金に加入している場合の源泉徴収票の見方については、「【加入者向け】源泉徴収票の見方・表記|企業型確定拠出年金」の章をご覧ください。

6-3.Q3. 確定拠出年金について源泉徴収票のどこを見ればいい?

源泉徴収票に、確定拠出年金の積み立て金額などが明示されているわけではありません。従業員が個人で掛金を上乗せしている場合、「社会保険料等の金額の欄」にほかの社会保険料と一緒に金額が書かれているため、確認すると良いでしょう。

 企業型確定拠出年金の導入ならマウンティンへご相談ください

企業型確定拠出年金は、掛金が上乗せされているかによって年末調整が必要かどうかが変わります。企業担当者は、各従業員がどのように掛金を拠出しているか確認しておくことが大切です。

年末調整にはさまざまな手続きが必要となるため、企業型確定拠出年金の導入を検討している場合はプロにサポートしてもらいながら進めることが大切です。

企業型確定拠出年金に関する手続きはもちろん、導入前から導入後のサポートも提供しています。企業型確定拠出年金に関するご質問に丁寧に回答いたしますので、ぜひ一度気軽にお問合せください。

この記事を書いた人

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白井 章稔

CFP® 社会保険労務士                                      中小企業への企業型確定拠出年金導入を得意とする。自身も企業型確定拠出年金の加入者の1人として、毎月資産の積立・運用を行う。企業型確定拠出年金導入セミナー講師、従業員説明会の実績、多数。

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